2024年11月16日 第4回 研究部会を開催しました。

今回は、まず代表理事のスライドと、資料に基づいて薬物乱用防止に関わる講師に必須の内容を話された。それに対して監事の樋田さんが学校講演の現場での体験から質問をし、代表理事と副代表理事がそれぞれ専門知識や情報を交えて答えるという形で話が進んだ。

法規制から薬学の知識まで大変豊富で有意義な内容だった。

特に大麻について、「医療用」や「嗜好用」の用語の使用において、混乱、曲解、誤解、が見られる。医療用と言いさえすれば、勝手に自己栽培して使用できるわけではない。あちこちで出回る本や資料にも歪曲された情報が錯綜している現状があることを話し合った。

大麻は1925年条約から規制されている。また歴史上の知見は注目に値する。

忍術書「万川集海」の記述: 「忍器四 火器」編 「あほう薬 麻の葉日に干し、末にして薄茶三服ほど用いれば、心虚であほうに成ると云う。麻の葉、七月に取りて宜し。」

中国の後漢時代、2世紀に書かれた「神農本草経」「多く食すれば、人をして鬼を見、狂走せしむ」とされて、2世紀には既にこのような認識があった。また「暗殺者」「暗殺団」「刺客」という意味を指す英単語「アサシン」の語源はアラビア語のハシシーン(大麻ハシーシュを用いる人の意)に由来する。大麻摂取により凶暴性が生じることはマウスの実験からでも明らかになっているらしい。

大麻が古来からしめ縄や衣類、ロープ、肥糧、紙、種子は食用にも用いられてきたことと、現在麻薬成分であるTHCの濃度が10~30パーセントも含まれるものを摂取することは別に語られるべきことだ。

薬物の効果については人それぞれだが、大麻については、以下のことが言える。

①             現段階で分かっていないことが沢山ある

②             未成年が摂取すると、精神疾患のリスクが高くなる

③             催幻覚と抑制作用を有するとともに、精神及び身体依存性がある

④             1回くらいなら大丈夫と思った、という人の殆どが1回で済んでいない

⑤             物理的には関係ないとしても、薬物に手を出すということへの心理的なハードルが下がるという意味において「ゲートウェイドラッグ」となりうる

報告者:理事兼事務局長 花岡真寿美 

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